ヒロイック・エイジ 第5話ヒロイック・エイジ第5話 ノドス 「私達は黄金の種族の予言と5人目のノドスを信じ、銀の種族による人類滅亡の企てに抵抗します。妥協も譲歩もありません」 「5人目を迎えに来た。俺はカルキノス」 「エイジ」 「一緒に来い、エイジ」 「お父さん達が言ってた。1、2、3、4、4人やっつけなきゃいけないって」 『銀の種族はティターロスまで破壊するつもりです』 「この星は滅ぼされてしまう…」 『閣下、彼らの最初の目標は宇宙港です』 「ティターロスの戦艦は追ってきません」 「よし、このままティターロスの外縁に沿って加速だ。敵を後方に置き、防御領域を限定、火力をそこに集中する」 敵は二手に分かれ、一方はアルゴノートを追尾し、他方はティターロスの宇宙港へ向かっていた。 『現在、惑星の重力を利用して加速中です。結果的にティターロスを巻き込んでしまう形になってしまいました。かくなるうえは一匹でも多く敵をひきつけて離脱、その後に追撃を振り切ります』 『お願いします、艦長』 「人類の未来を託されたプリンセス・ディアネイラにとってここでの降伏は絶対にありえない。それ故にプリンセスは自ら審判者の汚名を着たのかも知れません。ティターロスが戦場になるのを避けるために」 「銀の種族の助力で私達は宇宙への進出を果たしました。彼らにはその恩があります。しかし…星の破滅を黙って受け入れることはできません」 「その通りです。イカロスワン及び艦艇を宇宙港周辺へ配備して下さい。地上の部隊にも防空体制を整えるようにと」 「イカロスツーは?」 「座標R98、N26に向けて移動させましょう」 ティターロス側も自分達の星を守るために戦う決意をしたようです。 アルゴノートは青銅の種族に向かって攻撃を開始し、ティターロスも攻撃を開始する。 『何故それほどまでに戦おうとするのですか?エイジ…』 化身せずにティターロスの中で戦うエイジとカルキノス。 「エイジ、何をしている?アルゴノートに戻るんだ」 「イオラオスは皆の所に戻ってあげて」 「!?エイジ?」 「僕も後で戻るよ、アルゴノートは好きだ」 イオラオスはエイジの肩の上に置いていた手を離すのだった。 エイジは盗んだ車に乗っているカルキノスを追いかける。 『不思議です。エイジが対峙している者には戦う意思が感じられません』 「しかし、エイジを呼んでいると…」 『戦うためではないのかも』 「では一体…?」 アルゴノートは近接格闘戦に移行するため、オーガン隊などを発進させる。 あと10分で重力加速の最大値まで達することができるため、10分を何とか持ち堪えなければならなかった。 アルゴノートに戻ってきたイオラオス。 『エイジはどうした?』 「遅れて戻ります」 『遅れて?』 「はい、出撃します」 《あの猿を信じたのか、私は》 エイジに車ごとぶつかっていくカルキノスはそのまま辺りを溶かしていく。 だが、エイジは中に素早く浮き上がることで助かるが、腕に触れてしまい、腕が痺れてしまう。 《何を考えている、カルキノス。その気になれば星ごと溶かしてしまえるものを》 「ノドスに使ったのは初めてだ。痺れる程度か」 「星に酷いことする気?」 「一緒に来い」 首を横に振るエイジ、 「できれば化身せずに済ましたかった」 双方ノドスへと化身し、出来るだけティターロスを破壊しないように戦おうとする。 『姫様、ベルクロスのに似た重力反応が複数感知されました』 「敵側のノドスです」 「ノドス同士が戦っている…」 「銀の種族はノドスまでも…。この星は破壊される…」 『何を手加減している』 『本気を出したらあの星を殺してしまうから』 『五人目の力を試す小手調べだ』 『ふざけるな。五人目は敵だ、惑星諸共葬り去ってしまえばいい』 アルゴノートの近くに重力震が起こり、巨大なアリ塚が出現する。 アルゴノートは回避しきれず、ぶつかるかと思いきや、ティターロスから猛スピードでやって来たノドスと化したエイジがアリ塚を破壊する。 カルキノスも宇宙空間に現れ、エイジとぶつかり合った衝撃波で青銅の種族も消滅していき、アルゴノートの隊も何とか衝撃に耐えていた。 そして、その衝撃はティターロスまで及んでいた。 「ノドス…手出しできる相手ではないのか?!」 青銅の種族からエネルギーを吸い取ったベルクロス(エイジ)は口からビームを放つ。 それにより、敵が分断される。 それだけでなく、イカロスが防壁になってくれる。 カルキノスの毒ガスで動けなくなったエイジは締め付けられる。 『エイジ…』 「殺れ」 パエトー率いる青銅の種族の巨大な戦艦がティターロスへと侵攻してくる。 ベルクロス(エイジ)はカルキノスに抱きつかれたまま青銅の種族の戦艦へと突撃し、戦艦にカルキノスを投げつける。 それにより、青銅の種族の戦艦は倒される。 だが、もう一機の戦艦からビームが放たれ、アルゴノートは避けきれないがエイジが盾となり、攻撃を防ぎきると、戦艦に突っ込み倒すのだった。 「もういい、見るに耐えん」 カルキノスも去っていく。 《何故、何故それほどまで…》 ベルクロスから元に戻ったエイジを回収するイオラオス。 エイジは何かを喋っているようだが、イオラオスには聞き取れない。 そして、エイジは気を失って倒れてしまう。 「エイジ!!エイジ!!」 『大丈夫です。疲れて眠ったようです。「イオラオスは風」、エイジの言葉です。あなたの声は優しくて強い風だと…』 アリ塚は撤退していき、アルゴノートは緊急時管制を維持する。 《敵のノドスにベルクロスを倒す気はなかった。小手調べか…。それでもノドス同士の戦いは我々の想像を超えていた》 眠っているエイジを見守るディアネイラ。 《何故、御自分からノドスに戦いを…?黄金の種族はあなたにそこまでの使命を与えたのですか?》 次回、「セメタリー・ベルト」 ジャンル別一覧
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